Yoshishun

レザボア・ドッグス デジタルリマスター版のYoshishunのネタバレレビュー・内容・結末

4.6

このレビューはネタバレを含みます

“今なお色褪せぬ伝説のデビュー作”

↓オリジナル版はレビュー済
https://filmarks.com/movies/6995/reviews/19029012

クエンティン・タランティーノ伝説の監督デビュー作にして、従来の強盗映画の定石を外しまくった大傑作。
初見時はそこまでハマらなかったものの、『ヘイトフル・エイト』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』、そして『パルプ・フィクション』リバイバルを経て改めて見返すと、無駄に見えて各キャラクターの性格を決定づける会話劇、耳削ぎと大量出血というバイオレンス、そして既存曲をフル活用する作家性が爆発しており、デビュー作にして世界の度肝を抜いたのも頷ける。

「チームメンバーは5人?6人では?」「どのタイミングで警報は鳴らされたのか?」「Mr.ピンクはダイヤが入ってるとみられる鞄を本当に隠していたのか?逃げる時に落としてないか?」と様々な不可解な点が挙げられつつ、時間軸と各キャラクターの回想を交差させ、鮮やかに伏線回収していく。この時間トリックは次作で更に複雑化するものの、タランティーノにしては短めの約1時間半というタイトな上映時間だからこそ全編飽きることがない。

次作でパルムドールを仕留めたタランティーノだが、本作の完成度も全く引けを取らない。今このタイミングでのリバイバルで更に本作の凄味を全身で感じることが出来て、至福の映画体験だった。
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