ogi

シェアの法則のogiのネタバレレビュー・内容・結末

シェアの法則(2022年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

シネコンで上映だったのに、広い空間に自分含めて3人しか座っておらず、もっと観る人いてもいいはずの映画なのにな、と思った。

涙腺の緩みを抑えきれず終盤は温かい涙を流しっぱなしに。

「チューリップの花言葉はね、『思いやり』っていうのよ。」

思えば喜代子は最初から最後まで思いやりに溢れた人だった。

秀夫はといえば、だいたい誰と話すにしても、自分の基準を人に押し付けるような発言をしてしまいがち。
そして自分の気持ちにだけしか気が回らずに、
そのあとなんとなく気まずさに追い込まれてしまう。
そのあたりのセリフの少ない小野武彦さんの表現が上手くてもう単純に俳優って凄いと思った。

でも妻含めシェアハウスの人達ってみんな「思いやり」のある人間味ある人達。
周りの思いやりに恵まれて、気持ちが救われることや、大事な何かに気づくこともある。

最後父と息子が言葉少なに庭に立つと、ランダムに色とりどりに咲くチューリップが。

あーか〜しーろ〜きいろ〜 どの花見てもキレイだな〜♪

登場人物はそれぞれ違う様々な事情を抱えた人達ばかり。
色とりどり、全然違う人達だからこそ、思いやりの心ひとつ、相手の立場に立った言葉かけひとつあるだけで、お互いが優しい気持ちでいられるんだよ、
妻が描いたチューリップのスケッチに、夫が色を塗ってるのが映されたとき、
そんな感じのメッセージを妻から受け取ったんじゃなかろうか、とも思った。

脚本も演者さんも皆さん素晴らしく、
特別な群像劇を観た気分。
あぁ観て良かったな、って素直に思える映画だった。
ogi

ogi