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CLOSE/クロースのogiのネタバレレビュー・内容・結末

CLOSE/クロース(2022年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

ポスターと予告編に惹かれて鑑賞。

正直、思春期の少年たちのただただ甘酸っぱい映画だとばかり思い込んで観始めたのだよ。。。
中盤からはもう心臓がきゅきゅきゅーっとなって座席に体が重く沈んでくことに。


画面にこれみよがしに映る、吸い込まれそうな瞳。隣に眠るレミに送る視線がとても美しい。
レオの顔の造形に魅せられているうちに、あれよあれよと2人の関係性が変わっていき、やがて取り返しのつかない展開に陥っていく。

繊細で不安定な感情のやりとり。少ない会話と多弁な視線。大人なら、え、そんなことでって思うことでさえもこの年代では一大事。でも、わかるよその心情、過去どこかで似たような経験してきた気がするから。

集合時間、バスの中にいないレミ。
クラスメイトとのやりとりは普段と変わらない。が、天気は不穏で薄暗い。少しずつ近づく悲劇の予感。
えっウソでしょ!?ウソだと言ってくれ!、と心の中で私が叫ぶ。

レミのいない食卓を囲んだり、家族同士で食事をするが、そこにレミはいない感が辛さをジワジワ与えてくる。
聞かれたので将来について答える兄さん。父親は息子の不在を思い知りむせび泣く。そのシーンがとてつもなく切なくて。。。

冒頭、花畑を無邪気に駆け抜けるふたり。
柔らかい光と草花の情景がとってもキレイ。

それと対比するように最後、花畑を駆けて行くレオ。
1人で振り返ったときに見せた表情が絶妙すぎた。


しばらく経っても感情が取り残されたままだった。
苦しい映画だったけど、心に残る作品となった。
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