カトマンズの掟

シェアの法則のカトマンズの掟のレビュー・感想・評価

シェアの法則(2022年製作の映画)
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2024 0519 大須シネマ(舞台挨拶付き)にて観賞。

主人公は、例えば森繁久彌の演じていたような昭和のデリカシーがない頑固親父的なキャラクター。自分は森繁さんの父親像が苦手なため、果たしてどうなるかなと思いながら観ていた。
これが昭和の映画ならなんだかんだ頑固親父は変わらずに終わるのだが、本作ではルームシェアの人々を通じて他者の価値観を受け入れて改心、丸く収まって良かった。令和らしいといえばらしい映画。

外国人技能実習生制度と不法滞在の問題は、近年はどちらかというとベトナムのイメージがあるが。
「中国人は金持ちなんだろ?」という中国人への偏見?描写については疑問を感じた。名前弄りのあたりも。日本人から見た中国人の描き方って感じがした。
問題提起だけじゃなくて、異国との文化交流的な場面があってもよかった。
例えば『ビルマの竪琴』での『埴生の宿(home sweet home)』、『遙かなる国の歌』でのフィリピンの『ダヒル・サヨ』みたいな中国で親しまれている歌、故郷を思う歌などが挿入されたら良かったかも。
このあたりの違和感は、香港映画を最近よく観ているからかもしれないけど。

上映後は舞台挨拶+サイン会。主演の小野武彦さんは役柄と違って温厚な方でした。