みむさん

Saltburnのみむさんのレビュー・感想・評価

Saltburn(2023年製作の映画)
3.8
「プロミシング・ヤング・ウーマン」エメラルド・フェネル監督作でバリー・コーガンがやってくれた。
ストーリーに既視感はあるが十分面白い。

彼はイイ子ビジュアルを逆手に取ったような不思議気持ち悪い腹黒そうな役にハマりすぎるしやっぱり上手い。

序盤は古典文学にありそうな英国の優雅な富裕層の金持ち学生と奨学金で入学した学生の格差青春物語の雰囲気漂わせるが、だんだんよからぬ雰囲気が漂ってくる。
ほとんどがバリー・コーガンが演じるオリバーが少しずつじわじわ「黒さ」を感じさせるからそう見えてくる。その黒さは憎しみか、妬みか、愛情の裏返しか、もしくはその全部か。

冒頭のモノローグも見終わってみると感じ方が全然違う。(説明されないが)背景も彼の想いも違ったふうに見えてくる。

目的はわかるが、どこまでが予定どおりだったのか。全てが予定どおりか、または一部予定外の感情はあったのか。羨望や妬みの他にこの行動に至るワケはあったのか。
予定外の愛情があったように見えそれにより戸惑いもあったかもしれないが、あれも計画通りだとしたら狡猾さ通り越して黒すぎる。

娥に例えたのは良い例えだったな。まさにあんな感じ。

謎は残るがやり遂げた感がスゴいあのラスト。