空母ポンタヌフ

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章の空母ポンタヌフのレビュー・感想・評価

4.5
前編であることを差し引いても大傑作! 確かに前編なので風呂敷を広げに広げて広げて終わって何も種明かしはないのだけれど、それだけでも面白い。
当方原作未読であるがゆえか、広がった風呂敷に対して「どーなるんだ!?!?どーゆうことなの!?!?」という素直な感情で楽しむことができた。
巨大なスペースシップが東京上空に鎮座する世界に生きる女子高生2人組が主人公。リアリティに根ざしたSFという意味ではシンゴジラっぽさもあり、SFと日常という意味では(そして明らかに作品の核になっているように)ドラえもんっぽさもあり、そして何より異常事態に慣れてしまった日常という意味ではコロナ禍とウクライナ侵攻を経験した陰謀論渦巻く分断のこの世の中のような雰囲気もある。原作は3.11に影響を受けて作った設定だと思うが、2024年現在その解像度はさらに増している。
そして主人公の声優のあのちゃんと幾田りらの演技は最高であった。テーマソングも最高。また、映画館だからこそ響く重低音も最高。令和を代表するアニメ作品になるんじゃないだろうか。
最終的な評価は後編待ちということと予告で見せすぎて泣きどころをひとつ失ってるところを差し引いてもこのスコア。