にゃーめん

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章のにゃーめんのレビュー・感想・評価

3.6
この作品を観て思い出したのは、9.11の同時多発テロが起きた時の事だ。
当時私は門出やおんたんと同じ、リアルJKで、当時の担任が9.11の翌日に「世界のどこかで何か大きな事件や事故が起きても、あなた達の日常は変わりません。今まで通り授業を始めます。」と言っていたのが衝撃的で今でも覚えている。

たしかに、あれだけの大きなテロが起きたからと言って、日本の平凡な女子高生の人生に大きく何か影響したわけでもなく、日常が淡々と過ぎていっただけであった。

デデデデの冒頭も、「地球がクソヤバい」状況になった8.31の年の3年後から始まるが、東京に謎の飛行物体が来ようが、兵器で居住地区が汚染されようが、日本の平凡な女子高生が恋愛や進路や、親との関係性に悩むという日常が淡々と繰り返されるという展開で、妙な近視感があった。

『シン・ゴジラ』的な自衛隊と政府の緊迫したシーンと、女子高生のほのぼの日常パートが交互に展開していく演出はテンポも良く飽きさせないのが、"今風"の作品でもある。

特筆すべき点としては、あの吉田玲子脚本(代表作:ヴァイオレット・エヴァーガーデン等)なだけあり、門出とおんたんの出会いにおける、シスターフッド的演出にはグラグラと心動かされてしまい、やはり一味違うなと感じた。
印象的なシーンとして、いじめられていた側である門出と、いじめの傍観者側であったおんたんの歩道橋での言い合いのシーンは胸が張り裂けそうになった。

おんたんの声も、あのちゃん以外は考えられないほどハマっており、原作における謎の口癖「はにゃにゃフワー」のセリフを聞いた時は、あまりのハマりように笑ってしまった。

浅野いにお先生の原作は、映画本編の前編にあたる部分まで読んでいて、それ以降追っていないため(情報量があまりにも多く、読み疲れてしまうのだ…)純粋に後編でどう伏線を回収していくか楽しみである。
にゃーめん

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