背骨

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章の背骨のレビュー・感想・評価

4.2
ハッキリ言って今年最強の面白さ。大きく膨らんだ期待を軽々と超えてきた『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション後章』

前章の謎解きと怒涛の伏線回収でストーリー展開しながら、その奥にあるのは、もはやリアルがフィクションに追いついてしまったシン・セカイ系という強烈な世界観

破滅は突然やってこない。変わらない日常に少しづつ侵食していく。それに気がつかない者、気づかないフリをする者、そしてごく僅かな行動する者…

「世界が滅んでも一番大切な人を守れるか」これは比喩ではなくそのままの意味。もはや崩壊間近なこの国で安穏と生きている人々に向けられた作品。全国民推奨です

主人公たちは「キミかセカイか」で迷っていないので、いわゆるセカイ系とは少し違う気がしている

「絶対の存在としての使命に全力を尽くす。それが巡り巡って世界を変えるかもしれないね〜くらいの」これがこの映画の「なんの希望も持てない時代を生き抜くためのひとつの可能性の啓示」

おんたんが目指したのはまさにそれだし、門出が犯してしまった過ちはそれとは反対の事のエゴイスティックな思想に基づいた世界の変革なのだから

「もはや世界は変えられない。それがどんなに個人の生活に大きな影響を与えるとしても… 」

セカイ系よりさらにリアルな世相とそこに生きる人々の心情を反映したシン・セカイ系。それが進化(悪化?)した今の世界とセカイの物語。やや逆説的すぎるきらいはあるが…
背骨

背骨