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ミシシッピー・バーニングのHKのレビュー・感想・評価

ミシシッピー・バーニング(1988年製作の映画)
4.0
ジーン・ハックマン追悼シリーズのラスト。
これまで敢えて代表作を避けて未見の作品ばかり選んできましたが、最後は劇場公開時リアルタイムに観た名作ながら、全く内容を思い出せない本作をセレクト。
で、36年ぶりに再見したわけですが・・・98%くらいは忘れてました(我ながらヒドイ)。

当時はミシシッピーやアラバマの人種差別の歴史について全く無知だったし、出演者もハックマンと新人のウィレム・デフォーくらいしか知らず、どうも印象が希薄だった模様。
それにしても、これだけ憶えてないともはや初めて観るのと一緒。
本当に一度観てるの?(観てるハズ・・・もはや末期症状)😱

1964年に実際にミシシッピー州で起きた3人の公民権運動家殺害事件をモデルにしてアラン・パーカー監督(『フェーム』『エンゼル・ハート』)が撮った社会派サスペンス。
アカデミー賞では作品賞を含む7部門にノミネートされ撮影賞を受賞。
本作でベルリン国際映画祭銀熊賞 (男優賞)を受賞したハックマンの演技も見応え充分。
ただ、本作は事実を脚色しすぎ、FBIを美化しすぎとの批判もあるようです。

FBIの若きエリートがデフォー(当時33歳、顔がまだツルツル)でその部下をハックマン(当時57歳)が演じてますが、フランシス・マクドーマンド、R・リー・アーメイ、マイケル・ルーカーなんかも出てたんですね。
胸糞の悪い保安官補(ブラッド・ドゥーリフ)に見覚えがあると思ったら、なんと『チャイルド・プレイ』のチャッキー(!)でした。

ミシシッピーで生まれ育った保安官補の妻役マクドーマンドのセリフが印象的。
「憎しみは生まれつきじゃない、教えられたの」
「学校で人種差別は聖書にもあると(創世記の9章27節?)」
「7歳の頃には もう そう信じ込んでる」

後年マクドーマンドはハックマンとの共演は演技のレッスンのような貴重な経験だったと言っているとか。

ちなみに、本作の事件が起きた1964年のアカデミー賞では、シドニー・ポワチエが黒人初の主演男優賞を「野のユリ」(1963年)で受賞しています。
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