少年チャンピオンの全プレDVDだったらしい。20分程度の短編だったが感動してちょっと泣きそうになったわ。
原作にもある「空からきた子ども」のエピソードで、某国から戦闘機に乗って亡命してきた兵士のその妻は難病の子供を手術して貰うためにブラックジャックを訪ねる。
もちろんコレは76年のベレンコ注意亡命事件をモチーフにしているのは明白。当時ソ連の重要機密だったミグ25に乗って北海道に亡命した事件だ。でも今作ではハリアーに乗ってるね。
亡命してきた兵士はブラックジャックに手術を依頼するが、母国での手術の結果、手遅れの状況。苦悩するブラックジャックだったが大きな賭に出る。
病気が“心室中隔欠損症に伴うアイゼンメンゲル症候群”とのこと。よくわからんがそこは流石の手塚治虫だけありちゃんとした医学知識を駆使した設定なようだ。
そしてその手術が、母親の身体と結合させ肺を共有するというもの。健康な身体になり肺の移植ができる様になれば分離するという。もの凄い荒唐無稽だが、説得力を持って見れる。
兵士、妻、ブラックジャックが並々ならぬ決意を持っているという描写がリアリズムを与えている。
もう一つ、母国から脱走兵を追って飛行機編隊が日本に来るが、流石に日本が領海侵犯に対して無反応すぎ（笑）兵士が亡命してきたことに日本が気付かなかったのも荒唐無稽なんだが、コレは尺の問題で省略されたモノとして容認できる。
逆に言えば、亡命に関して日本国内での対応などを細かく保管し直したら、長編として滅茶苦茶完成度の高い作品になりそうだよな。
出崎っぽい演出も合ってるし、ピノコの可愛さもMAXだ。
