みんと

ザ・バイクライダーズのみんとのレビュー・感想・評価

ザ・バイクライダーズ(2023年製作の映画)
3.8
カッコよすぎるジャケに釣られてジェフ・ニコルズ監督作品を初体験。

アメリカの写真家ダニー・ライオンが、60年代シカゴに実在したバイカー集団“アウトローズ・モータサイクル・クラブ” の日常を描写した写真集にインスピレーションを得たと言う本作。

いや~予想以上に男臭い作品だった。
女性にはどこまで行っても理解出来ない男性心理と言うか、男同士ならではの人間関係とかバイクへののめり込みようとかロマンとか…

喧嘩っ早くて無口なパイク乗りベニーと、出会いから僅かで結婚を決めたキャシー目線でで描かれるライダークラブの栄枯盛衰。
血なまぐさくて荒っぽい組織の構図はギャングのそれとまるで同じ。単純にバイク好き集団である事が多少犯罪の匂いを和らげるくらいで。

また、ともすれば強引に男臭さだけで押し切られそうなところはキャシーの存在や役割が作品にマイルドさを持たせ上手く纏まってたと思う。

膨らんで行く組織を統括する難しさや世代間ギャップ、世代交代の波の意味では、一般企業にも通じる問題だったり。

何れにしても個性的で豪華なキャスティングの見応え。
トム・ハーディの貫禄は途中マーロン・ブランドに見えてしまった。笑
『名も無き者』からの繋がりではボイド・ホルブルックにも目が行ってしまいがち。
なんと言っても可愛さとカッコ良さを併せ持つオースティン・バトラーにはやっぱりメロメロ。
…そろそろ『エルヴィス』観てみようかな?
あと、ノーマン・リーダスのむさ苦しさ!笑

正直なところ渋くて男臭いトム・ハーディの集団のボスぶりと、ひたすらオースティン・バトラーをカッコよく描いた作品に見えなくもなかったけど、アメリカの一時代とノスタルジーを感じるバイク好きには堪らない作品だと思う。
みんと

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