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オーストレイリア映画だ。
SF?ホラー?要素が混入した、ゴア・サスペンスだ。
もう、何がなんやら、である。
主人公はジミー・スキンフォード。
ケチな小悪党といった感じだ。
開幕早々、彼はピンチに陥っている。
何かヘマをやらかしたのか、殺し屋に銃を向けられ、自分用の墓穴を掘らされているのである。
ところが、かなり掘り進んだところで、なんと地中から人の手が!
しかも、動いている。
こ、これはいったい何なのだ。
驚いているところに、殺し屋がジミーに発砲。
しかし、ジミーは無傷だ。
逆に銃を奪い、殺し屋を退けたのである。
ジミーは、地中から突き出ている手を引っ張り上げた。
すると出てきたのは、普通に五体満足な、妙齢の美女だったのである。
ジミーが掘った地面は、何の痕跡もない、雑草生い茂るまっさらなそれであったのだ。
いったい彼女は、いつから地中に埋まっていたのだ。
なぜ、生きているのか。
彼氏はいるのか。
聞きたい事は山ほどある。
しかし、ジミーの思考は、そこまで追いつかないのだ。
しっかりしろ、ジミー。
聞くべき事をちゃんと聞くのだ。
せめて、彼氏がいるのかだけでも・・・
後に分かるのだが、彼女の名は
ゾフィアというらしい。
そして、ゾフィアは不死身な体の持ち主なのだ。
地中に埋まっても、爆破されても、銃撃されても、車に激突されても、いかなる攻撃を受けようとも、彼女は死なないのである。
傷ひとつ負わないのだ。
更に、ゾフィアに触れている人間も、同じく不死身状態になるのだ。
それに気づいたジミーは、己と彼女の手首を手錠で結ぶ。
そう、ジミーはなぜか、色々と命を狙われているのである。
なんやかんやあって、二人は何らかのブツを、トラックで運ぶはめに。
監視の目を振り切り、トラックを止めたジミーとゾフィアは、謎のブツを確認するため、荷台を開けてみる。
するとそこには、多数の半裸の女性たちの姿が!。
しかも、その中にはジミーの元恋人までいたから驚きだ。
いったい、これはどういう事なのだ。
ドイツへ向かうと言っていた元恋人。
それがなぜ、このような地下組織のトラックに?
どうやらジミーたちは、人身売買の片棒を担がされていたらしいのだ。
ここぞとばかりに、逃亡を図る女性たち。
私はこの元恋人が、ジミーたちと行動をともして、ヒロイン的役割を果たす人物なのだろうと予想していた。
しかし、そうではなかったのだ。
彼女は、ジミーの目の前で、木っ端みじんに砕け散るのである。
そう、まさしく文字どおりに。
そして、逃げ出した他の女性たちも次々と・・・
彼女たちの体内には、何者かにより、強力な爆破装置が仕込まれていたのである。
この場面は、非常に派手でキャッチーだ。
美女たちの体が粉々になっていく様は、実に衝撃的であり、一気に私をこの物語世界へといざなったのである。
予告編でも、この場面がことさらにフィーチャーされているのだが、実はこれは、全然メインメニューではないのだ。
物語の主題は、ゾフィアの不死について。
あるいは、ジミーの真の敵は誰なのか。
この辺りなのである。
まあ、そうは言っても、さすがに美女たちの身体爆破は、インパクト抜群だ。
「キングスマン」の頭爆発シーンに勝るとも劣らない、素晴らしいゴア演出だと言えよう。
いや、正直面白かった。
私は、こういうSF・ファンタジー要素を内包した物語は、無条件で大好きなのである。
いかに内容がグロかろうと、まったく問題はない。
いや、むしろ私にとってグロは、生きていくうえで必要な栄養素のひとつと言っても、過言ではないのである。
グロコサミンとかいうやつだ。
嘘だ。
色々、粗をあげつらう事ができる作品だろうとは思う。
私にも、意味不明な部分は確かにある。
だが、そんな事はどうでもいいのだ。
楽しければ、いいではないか。
美女たちの人体爆破とか、実に素晴らしいではないか。
おっと、誤解をしてもらったら困るぜ。
あくまで、映画の中での話しだ。
現実世界の私は、美女をこよなく愛する、素敵なナイスガイなのだぜ。
ワイルドだろ~。