T太郎

ウィッカーマンのT太郎のレビュー・感想・評価

ウィッカーマン(2006年製作の映画)
3.7
1123
再鑑賞
ニコラス・ケイジ主演でお送りする、ホラー風味の胸糞和えスリラーだ。
以前観た時の印象が良かったので、再び手に取った次第である。

正直、今回も私は楽しめた。
まったく不満はない。

だが、なぜこんなにも評価が低いのか、とても気になり、他の方々のレビューをのぞいてみた。
いつもは、こんな事はしないのだが。

なるへそ~。
この作品には、どうやらオリジナル版があるらしい。
オリジナル版を観た事のある方々には、軒なみ辛口批評を受けているようだ。

かなり古い作品みたいだが、非常に興味深い。
私もオリジナル版を観てみたくなった。

しかし、最近のレンタル屋さんに、そんな気の利いた渋い作品は置いていないのだ。
なかなかの品揃えの薄さなのである。

かつてのレンタル屋さんは、私たち映画好きにとって、パラダイスだった。
古典から最新作、B級、C級、Z級、知る人ぞ知る隠れた名作など、実に素晴らしいラインナップだったのだ。
質も量もエグかったのである。

それが今は・・・
実にトホホな状態なのだ。

長らくレンタルビデオ屋さんに行った事のない方。
一度のぞいてみて欲しい。
愕然とする事、間違いなしなのである。(特に洋画棚)

私も一応、サブスク(サブスクリプション)を利用しているのだが、身を入れて映画を観られる環境には、なっていない。

早晩、レンタルビデオ屋が、凋落、消滅する事は間違いないと睨んでいる。
サブスク(サブスクリプション)環境の充実化は、私にとって喫緊の急務なのである。
(いや映画館行けよ、という声は聞こえないのであった)

おっと、珍しく話しが横道に逸れたようだ。
(いつもやで)
話を戻そう。

いや、ホンマ今のレンタルビデオ屋は、最悪やぞ!
舐めんな、こら!
金返せ!

あ、いや、違う、この作品の話だ。
私はオリジナル版をまったく存じ上げないので、とても興味深く、衝撃をもって鑑賞できたという話である。

主人公のニコラス・ケイジ刑事は、カリフォルニアの真面目な警察官である。
刑事ではない。

ある日彼は、かつての恋人ウィローからの手紙を受け取る。

故郷のサマーズアイル島で、娘のローワンちゃんと暮らしていたのだが、その娘が行方不明になっているというのだ。

ニコラス・ケイジ刑事は、ちょうど暇だったのと、ウィローに未練があったので、そのサマーズアイル島へと向かったのである。

島に上陸したニコラス・ケイジ刑事は、ウィローとの喜びの再会にひたる間もなく、さっそくローワンちゃんの捜索を始める。

小さい島で、人口も多くはない。
幼い少女を捜す事など、たやすい事だと思われた。

しかし、そう事は簡単にいかなかったのだ。

この島の様子が、まず変なのである。
アーミッシュのような生活を営む島民たちは、実に閉鎖的で、どいつもこいつも、腹に一物ありそうな面構えだ。
何を聞いてものらりくらり、なのだ。

そして、明らかな女性上位社会である。
男たちに存在感はなく、彼らは言葉を発しないのだ。

ニコラス・ケイジ刑事は、タフな刑事気どりで、島民たちに証言を迫るのだが、やはり・・
何を聞いてものらりくらり、なのである。
奴らはまるで、究極のアイドルなのだ。

ウィローは常に、泣きそうな心配顔で、ニコラス・ケイジ刑事を見つめるのだが、彼女からも有益な証言は得られない。

のみならずウィローは、ニコラス・ケイジ刑事に、こんな事を言うのだ。
「ローワンちゃんは、あんたの子やで」
(意訳)

ニコラス・ケイジ刑事は大いに驚愕する。
彼は、床に落ちたアゴの回収に、腐心する羽目に陥ったのである。

が、観客の誰もが、これは予想していた事であろう。
アホでも分かる展開である。
全世界で、知らぬはニコラス・ケイジ刑事のみ、という状況だったのだ。

果たして、そんなニコラス・ケイジ刑事は、ローワンちゃんを無事捜し出す事ができるのか。

という話なのだが、物語の肝は、この後にあるのである。

この島の伝統的な祭
豊穣祭
生け贄・・・
燃える・・・

ローワンちゃんの運命や如何に。

島民たちはよく働く。
林業が盛んなのだろうか。
生活のためなのだろうか。
木材や大小の枝葉などをしきりに集めている。

ニコラス・ケイジ刑事も、ちょっぴりお手伝いした。
まさか、あんな事になるとは、つゆ知らず・・・

いったい、どのような結末を迎えるのか。
乞うご期待、である。
T太郎

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