主人公は黒人の作家。
純粋な文学作品を書こうとしているのに、THE黒人っぽい作品を求められうんざり、日常で悪いことが重なり自暴自棄になった結果「世間が求めるものはこれなんだろ！」と半ばヤケクソで黒人ステレオタイプな魂入れずのスカスカ小説を別ペンネームで出版したら、あれよあれよと売れてゆき…
重めの作品だと思ったら、全然軽くゆったりしたコメディでびっくりした。めちゃくちゃ笑った。
ただメッセージ性はかなり強くて、自分の「これは重めの作品だと思ってた」というこの前提がある時点でかなり刺された感じ。
黒人がテーマの作品ってこういうもんだと思ってないか？差別、奴隷、ラップ、ギャング何かしらが絡むと思ってないか？
主人公の叫びは「なぜ普通の文学を書いても誰も興味を示してくれないんだ！」なんですよね。
例えば自分たちの話だとしても、周りからそういうイメージがついてしまったら扱いが固定されてしまうことありません？
誤解を恐れずに言うと、僕自身はイメージが付くことは少々仕方のないことだとも思ってますが、確かにこの視点をちゃんと"意識"することは大事だと思うので、めちゃくちゃ良い作品だと思いました。
