ガラムマサラ

アメリカン・フィクションのガラムマサラのレビュー・感想・評価

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)
3.6
黒人が求められるイメージに辟易として悪ふざけした売れない小説家の日常と非日常。


黒人といえば陽気で筋肉質、ラップやヒップホップを愛してダンスが出来て、フィクションでもドラッグや銃が付き物。人種差別に苦しみ苦しい環境で育ちやむにやまれず犯罪に手を染め、ドラマティックで悲劇的な最期を迎えがち。
それ以外の人もいるのに、そういった要素が黒人の本質として定着し、求められエンタメとして消化されまくってる様を皮肉を込めて描いた本作ですが。

なんか術中にハマった気分。

だって鑑賞中「どういったオチがつくのだろう」と考えを巡らせながら観ていたんですもの。

描かれる日常、非日常は滑稽な部分はあるものの、あくまで一人の人間の素朴な人生。

ぶっちゃけ内容的には地味っちゃ地味ですが、皮肉りかたは中々痛烈。


てかこの作品がアカデミー賞で評価される事自体がそもそも皮肉っちゃあ皮肉。

この手の問題を題材に扱った作品ってどうしても向こうの歴史とか国柄に根付いた部分があるもので、個人的にはいまいちピンとこない部分もあるんですけど今作は結構わかりやすかったです。