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異人たちのAのネタバレレビュー・内容・結末

異人たち(2023年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

試写会にて鑑賞。以下思いついた順に散り散りな感想をばら撒きます。

・異人たちってそういうことかと最後になって気づいた。どこまで現実なの?とか問うこと自体が愚で風情がない、趣が無いことのような気もしてしまうけどそれでも気になるし考えてしまうな。

・アンドリューヘイの荒野にてでも思ったけど、とても何かを失って傷ついて硬く大きくなった「しこり」を解きほぐして柔らかくして小さくしていくプロセスを超繊細かつ思わず見入ってしまう演出で描くのが上手くて尊敬する。どんな人生送ってたんだろうか。

・アンドリュースコットがやっぱり好きだな。歳の割には童顔だし、beautiful な首だけど、物憂いまぶたしてるし、もぞもぞ喋るやや高めの声してて、どうしてもcareしたくなるそんな感じがする。

・最初に両親が亡くなった話をして、もう12年前だからとアダムが言った時、ハリーは時間は関係ないとサラッと言ったの、リハビリというかヒーリングが必要な段階にいるアダムが両親の死と向き合うファーストステップの基礎を築いたのかな。

・クィアって言葉の方が上品な感じなのか。gayという言葉を髪の毛や服装に使うことにうんざりするハリーとクィアを侮蔑語としの含意から嫌うアダム。年の差でるなあ。

・寂しさとゲイであることは別だよ、そうなの?っていう会話が印象的だった。必ずしもゲイがみんな寂しいわけでは無いだろうけど、というかそうであって欲しいけど、それでも「家族の枠」から外され、疎外感を覚えるハリーやカミングアウトした母親が作った紅茶を流しに捨てられ、結婚なんて自然じゃないと言われたアダム。そりゃ寂しいだろうよ。昔も今も。
みんなしこりみたいなものは持っていて、それが大きくならないようにと言ってくれる相手がいたらそれは愛だな。

・電車で小さい頃の自分が泣き叫び車窓に移り行くもやと一体となる演出、アダムとハリーが最後は星になる演出、ドラッグできまって現実との境がわからなくなる演出、全てシームレスでぬるっとした感じが何故か見ていて気持ちいい。というか面白い。

・地味に最初の握手のシーンがにくいうまい演出だなーと思った。ほんと少し粘着質な?長めな握手をするだけで二人の間の緊張感やドキッとする感じを勝手にこちらが飲み込んでしまう感じ。

・主題歌?は愛の力みたいな?



ずっと孤独になるんだろうという孤独、未来なんてどうでも良くなる。悲しい。
A

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