このレビューはネタバレを含みます
幻か現実か境界線なく、異世界を行き来して彷徨う時間が好きだった。
アダム、ハリー、両親の4人の表情。特に瞳。
親子、大人、成長、足りない/足りることはない、しこり、寂しさと恐怖、愛している/愛する/幸せ、星
・昔から家族の誰とも違っていた。
カミングアウトして名前がついただけ。
・ずっとなにかに怯えて、恐怖を感じている。
・時代は変わった
そうだよな、と、本当に?
「人は簡単に自暴自棄になれる」と言ったハリーの眼差し。ラストで腑に落ちた。
クラブのシーンでは『アフターサン』を思い出した。
父親が抱きしめていいか?と尋ねたシーンも印象的だった。自分が同級生だったら…と話したあと、自分の息子への対し方をできる父親。
すべての人が幸せになれたらいい。そうなり得ないことを分かっている。終わり方が穏やかで良かった。
触れ合う肌の映し方が人肌の温度で、愛の自覚や言葉が無くても、ハリーが目の前に存在してることはアダムにとって本当のことなのだと思った。