ニコラス・ケイジが人々の夢に無作為に出て来るという、ニコケイ・テロのアイディアは良かったけれど、刺さらなかったな。
夢が現実に侵食するという訳でもなく、夢は夢、現実は現実、の境界ははっきりしていて、ただ人々の意識の中で混同されるという形。
ヒーロー視されるに物足りないと思うのは、私が夢に特に重きを置かず、夢占いにも興味がないからなのか。
はっきりした夢を見ると、得した気分にはなるけど。
あと勿論、嫌な夢を見れば嫌な気分になるし、幸せな夢を見れば幸せな気分にはなる。
それだけ。
カメラワークとか、面白いシーンもあったけれど、そこに意味は感じられなかった。
そもそものストーリーが全く入って来ないし、夢もケイジも細切れなの。
分からないなら言うなって話だけれど、自意識の話なら、元々あまり興味がわかない。自意識が自分と離れて悪さをするって話ならね。
あと、得体の知れない何かなら怖いけど、目の前の白旗を上げたおじさんはそう怖くないんじゃないかな。基本大学の話なのに、心理学や精神分析の研究者は出て来ない。とにかく端から端まで無批判の極地、無批判の世界は全然好きではない。