色調が暖かく、絵本のような雰囲気が漂う作品。 セピア色がかった画面の中物語が進み、随所に差し込まれるビビットな赤、緑色が映える映像。他にもシンメトリーを意識した撮影など、全てのカットが美しく郷愁に溢れている。
主人公アメリに強く感情移入してしまった。幼少期のトラウマを言い訳にして行動出来ない人間。自分の世界に閉じこまる。これには自分も心当たりがある。そんな彼女が外の世界と関わり、社会に受け入れられる過程を描いている。素敵な人生は待っているだけではなく、自分から掴み取りにいかなければ手にすることはできないと教えてくれる。ピュアで不器用だけど、優しさに溢れたアメリが奮闘する姿を見ていると、自分も頑張ろうと思える。殻を破る勇気を与えてくれる。
恋愛映画としても、アート作品としても、人間ドラマとしても秀逸。
