ごまだんご

CLIMAX クライマックスのごまだんごのレビュー・感想・評価

CLIMAX クライマックス(2018年製作の映画)
3.8
人里離れた稽古場で、知らず内にLSDを摂取した将来有望なダンサー達が徐々に狂っていき、その空間は次第にカオスそのものとなる。集団心理の恐ろしさ。パニックの連鎖。視聴者にもそれを追体験させる。尋常じゃなく揺れ動くカメラワーク。視聴後の疲労感が半端でない。脳も、心も酷く疲弊してしまった。
相変わらずのノエ監督。想像しうる最悪な展開をどんどん見せてくる。が、登場人物の多さからそれぞれの関係性を完璧に掴むことが出来なかったからなのか、絶望感は正直「アレックス」程ではなかった。
計算し尽くされたセットデザインやサウンドのセンスが抜群に良い。「サスペリア」のような赤と緑の色彩美という感じで好み。
トリップした状態をプロのダンサーが奇妙な動きで表現している為、本当に気が狂っている人間に見えた。このカオスな題材をダンサーをメインにして撮ったのは大正解だったと思う。
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