NYの公共団地(ラストに住所が載ってて530 Grand st.になってるのでGoogleマップで見たら思ってた通りの場所だった)で父を看取るため集まった3姉妹
ほぼ全編小さなアパートの中で撮影された会話劇なのだけど全員の演技のクオリティとディティールの詰めがすごくて圧倒させられる作品だった。
近くには住んでるけど月一回も戻ってなかった長女ケイティは、仕切りたがりで、合理的で、自分が責任者だと思いこみ色々と張り切りつつ、目の前で死にかけてる父とは向き合ってないように見える。
せかせかとあちこちに電話したり、延命拒否の書類サインを急いだり、失礼だと思われたくないがゆえに看護師を夕食に誘おうとしたり、割れた食器を片付けるときに濡らしたキッチンペーパーで床を拭くついでに戸棚も拭いたりするところが、本当に私と似ています……ヒリヒリ
NYとは時差があるくらい遠い立地(西海岸か?)に住む妹のクリスティーナ(エリザベス•オルセン!)の、間を取り持つ感もすごくて、自分を出さずに常に何事もうまくバランスをとるのよ。ヨガもしてて、もう体からバランスとってる。何ひとつ悩みなんかなさそうに幸せな人生を送ってる、ように見えるけど実際は何らかを抱えているし(おそらく育児関係)、小さな頃から自立してると言われまくって実際自立せざるを得なかったところに、お父さんがかけてあげた最後の言葉の威力がすごくて号泣しましたね…クリスティーナのインナーチャイルドはゥチらで抱きしめるよ…
2人ががレイチェルに分からないようにスペイン語みたいなのを急に話し出すの、母親が違うがゆえのルーツによるのと思っていたらPig Latinという子供が大人にバレないようにする会話術だったらしい
最後が今作の主役とも言うべきレイチェル(OITNBのナターシャ•リオン!)、私には彼女の要素が全然なくて、だからこそ彼女のような人に憧れる人生だった…オープニングからエンディングまでずーっとハッパ吸い続けてウザい姉たちから逃げまくってダルそうにしてるけど、近所の人たちとは冗談まじりに親しく話したりしてて、愛するし愛されキャラなのよね…1番近くで父親と過ごしてきたのはレイチェルなんだっていうのが徐々に分かり、彼氏が「りんごをスライスしてあげてた」って姉たちにバラしたのは泣いた…血は繋がってないけどパパは私のパパだもん…て…そうよな!その通りよ!
3人全員、ちょっとした表情から手先の動きから呼吸のしかたまで本当に圧巻。傑作。