後半一気に畳みかけてくる胸熱な展開がエキサイティングな、エンディングに歌と踊りの無駄なテンションの煽りなどが無い正攻法なインド映画。
思いも寄らぬ人物スイッチングのシチュエーションから、プチ冒険譚へと流れる脚本が巧いですね。で、なんか田舎町や土埃の風合いもインド感十分でいい感じです。
観終えてほんわか気分で映画館を出る時、今日も太陽が眩しいぜ!多分今日も地球は丸いぜ!今日も人間でよかったぜ!というひたすら前向きな心地よさに包まれました
【花嫁はどこへ?】
似たような衣装に背格好、2人の花嫁さんが乗るべき列車を間違えて入れ替わってしまうお話。
列車がエモーショナルな存在感で、大層上手に使われている。
そして、なぜかチラッと登場する自転車がいい。登場人物たちが、荒原を行く列車を追いかけて、野道をかっ飛ばす短いシーンが大好きで、見ていてやたら嬉しくなった。
《真面目な人々》
煩雑な流れに翻弄される周囲の人々は、失踪?行方不明?だか何やら理由も判然としないまま、とりあえずジタバタするしかない真面目な人たちの真面目に騒々しいヒューマンコメディでシンプルにストーリーにのめり込んでしまう。
《2人の花嫁》
あどけない顔をした愛くるしいプール(二ターンシー・ゴーエル)という名の花嫁さん探しに加わる仲間たちが無駄にいい奴らで、ひたすら楽しませてくれます。
もう1人のジャヤ(プラティバー・ランター)というお姉さんぽい花嫁さんを追跡してくる連中は打って変わって不謹慎ないわゆる“ヤカラ“です。
(※このジャヤ役の女優さんは、ビジュスプラッシュ炸裂で、もうどうしていいかわからなくなるくらい美しかったです。周りの人にバレないように静かにドキドキしていました)
花嫁さん2人の抱く切なる想いが通じるかがドラマの焦点で、先行きのわからないローカルアドベンチャーといった趣きが、予想外に引っ張り回してくれる。
インド映画と言えば、ここ最近はヒゲの熱苦しい男たちが吠えて群れるスタイルが主流だったので、こんな形で女性たちの心象風景を中心に、男尊女卑や女性蔑視の社会問題を取り上げて、彼女たち女性が主人公なのもめずらしい気がする。
《巨漢の警察署長?警部?親分?》
Ravi Kishan
時折見せる喋り方がイラつかせるし、腹黒のちょっとムカつく警察署長が大技を披露します!これにはやられた
フルポイントの5.0評価はこのむくつけきヒゲオヤジ(ラヴィ・キシャン)の力が甚大です