かつて脚本家を目指していたが、志半ばで挫折し、今は弔文を書く仕事をしている中年男性が、人の死に触れているうちに自らの心も変化していく…というお話。
前半は弔文を生業とする男性の仕事ぶりが描かれて、故人に思いを馳せる家族や友人の姿と、それに対して誠実に耳を傾け、思いの詰まった弔文を作り上げる青年に心打たれました。
また、現代の中国の都会に住む人々の、人の死にすら向き合う時間がないほどに忙しなく働く姿も真正面から描いていて、人生にとって本当に大事なものは何か、考えさせられました。
後半になると男性がなぜ志半ばで脚本家を諦めたのかということが徐々に明らかになっていきます。
人の声だけでなく、自分の声にもしっかりと耳を傾けることで、何歳になっても、自分の人生を切り開いていけるのだと感じることができました。
時折笑いが起きるようなシーンもあり、ユーモアと感動のバランスが素晴らしい作品だと思いました。(学生応援団わくと)
東京国際映画祭では11/1(水)に上映が行われます!
チケットはこちら→ https://2023.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3604WFC01