犬とロボットで描かれる出会いと別れの物語。
勿論、2人(?)の友情はプラトニックな恋の比喩表現。
・・・しかし友達を通販で買うってのは、なかなかな資本主義社会というか'80年代的大量消費社会だな。
いかにも欧米のコミックらしいカラフルで楽しい絵柄で描き出される、動物とロボットが闊歩する不思議な世界が楽しい。
リアリティとは程遠い、実にカートゥーンな絵面と動きなのに物凄く臨場感があるのは、監督が暮らした1980年代のニューヨークを忠実に再現しているのと、街の雑踏といった音響が素晴らしいせい。音楽は勿論、他にも小ネタがタップリ。
あの時代の再現と、クラシックなコミックの絵柄や動きが相まって、シンプルなのに物凄くリッチかつノスタルジックなアニメ映画に仕上がっている。それだけでウルウルしちゃうよ。
あの時代を体験していなくても誰しも歴史として知っているし、2人の物語は・・・やっぱり誰しもが、自分の事の様に共感出来るハズ。
過ぎ去った時代の風景の中で描かれる、出会いと別れの物語に、客席のあちこちからすすり泣きが・・・。僕もずっと涙を流していたよ。