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ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命のMrOwlのレビュー・感想・評価

4.0
感動して泣くだろうな、と思いながら観まして、
想定通り感動して泣きました。

ニコラス・ウィントン氏を演じた
アンソニー・ホプキンスはもちろんのこと
若き日のニコラス・ウィントンに協力する
母役のヘレナ・ボナム・カーターも
ウィントンの妻役のレナ・オリンも
ドリーン・ワリナー役のロモーラ・ガライも
トレヴァー・チャドウィック役のアレックス・シャープも
素晴らしかったです。

669人もの子供たちを救出したにも関わらず、
開戦により250人を乗せて救出する予定だった列車が出発できず
ニコラスは救出できなかった子供たちのことが忘れられず、自分を責め続けています。
社会奉仕活動に情熱を注いでいたり、妻との仲も良いので
ずっと塞ぎ込んでいる訳でもなく、妻ともジョークを交えながら会話し笑顔もあります。
娘夫婦にはじきに子供が誕生するので、孫も出来そうです。
平和で穏やかな暮らしを送るニコラスですが、
ふと見せる遠い眼差しや、何かを背負ったままのように感じる背中。
いまでもニコラスは救出できなかった子供たちのことが忘れられず、
自責の念を感じていることが伝わります。
その姿を演じるアンソニー・ホプキンスの演技は素晴らしいです。
救えた命もあった一方、救えなかった命がある、これを背負っている辛さはいかばかりかと胸が詰まりました。
そのことが伝わってくる中で、終盤のTVショーのシーンはある種の救いや赦しが感じられて良かったです。
実際にニコラスに助けられたかつての子どもたちやその親族も撮影に参加しているそうで、その点も素晴らしいと思います。

ナチスによるユダヤ人へのホロコーストから
ユダヤ人を救った人物としては
シンドラー氏
杉原千畝氏
を知っていましたが、
本作の主人公であるニコラス・ウィントン氏を知らずにいました。
本作を通じてニコラス・ウィントン氏を知れたこと
救われた命が繋がっていることを知れて良かったです。
歴史を知る重要性も感じられる映画です。
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