「もし海が嫌いで、山も嫌いで、街も嫌いなら…、勝手にしやがれ!」
う〜ん、なんとも洒落ている。
現代だとYouTuberが多用しているジャンプカットや、手持ちカメラでの撮影など、60年代の当時としては画期的かつ挑戦的な技法で撮影されているのでアートな側面を併せもっているのだが、ストーリーというストーリーは皆無に等しく、パリに住まう男女の気取ったやり取りを写しているだけなので、やや退屈気味になる。
だが、パリにいるキザな男とコケティッシュな女というセット。
そしてその男女の他愛のない様でいて、一言一言を切り取って詩集にしたくなるような妙にズレてる小洒落た言葉のキャッチボールなど、全編の雰囲気は良い。
だからこそ、個人的には可憐な"オシャレ映画"という印象を持ったものの、それ以上のものを感じ取ることはできなかった。
もっと当時の映画業界における時代背景を勉強したら、また違った見方ができるのかもしれない。