新潟・佐渡島を舞台に記憶を失った男女の謎めいた過去と運命、生者と死者が分け目なく溶け合う幻想的な世界観で描かれた作品。
監督が江戸時代に佐渡金山で過酷な労働を強いられて命を落とした無国籍者の人々を埋葬した「無宿人の墓」に着想を得て脚本を描いたようで、死後に極楽浄土に行けるかか次の行き先が決まる四十九日までの間に魂が彷徨って過ごす何者でもなくなった状態と掛けている話。
小松菜奈、松田龍平、石橋静河、田中泯、大竹しのぶと豪華なキャストだけど、台詞の話し方や表現がかなり攻めていて独特な世界観で好き嫌い分かれる作品だと思う。
音楽はRADWIMPSの野田洋次郎がつとめて綺麗で神秘的で、小松菜奈もすごくミステリアスで美しい。
だけど、ムラサキの存在の意味、死についてなにか気付いているアオ、死の持つ負のオーラとか、心中に対して衣装も含めて綺麗に描いている感じとか、なんか現実主義な自分には合わなかった。。。
ハッキリ描かれてないけど、ラストのオチも微妙。。。どんな気分か…幻想的に描いていたのが全部崩れる感じがする。
あとクラブみたいなシーンいらなくない？
自分が死んだら、生前の記憶や名前を忘れてしまうなんて嫌だな。四十九日までの間、この世を懐かしみながら大切な人達のもとを回りたい。
