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ラストターン 福山健二71歳、二度目の青春のtemppのレビュー・感想・評価

3.0
嫁の顔が修羅に見えた。

映画自体は高齢者に勇気を与える作品なのかなとは思う。
この映画は高齢者層向けに作られ、高齢者になっても何だってできるんだ的な映画なんだろうとは思うので、そもそもターゲット層というか小説で言うところの読者層から僕はずれている。
そうすると、視点が主人公じゃなくて、その周りを取り巻くヒロイン(?)とか息子とか嫁になる。

そうするとこの映画の人間関係が酷く不自然に見えてくる。
やけにボケ防止を強調する施設職員や、何故か多分業務時間外に生徒に絡むスクール教師、そして何よりあの入学式の発言は家庭崩壊の引き金になってもおかしくないワードに聞こえる(ストーリーライン的にはともかく嫁が反論ができない場所で狙い撃ちしてるとしか思えない)。
常々世代間によって基礎となる人間関係象というものが違うと感じるが、なんとなくそれが浮き彫りになった映画だと感じた。悪気はない分余計に、この価値観差というものは世代間に確実に横たわっている。

違和感の一番の原因は多分、その小さな誤差のような不可解な気持ちを埋めるものが笑いだからだ。自分には理解できない笑いどころが結構あって、しかもスクリーン前の周囲の人は笑い声が出てたから年代によっては受けるのかもしれないけれど、どうもその笑いが自分には受け入れられないのかなって思う。
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