【ゴンドラに乗って、乗られて】
主人公イヴァは小さな村にある山岳地帯を繋ぐゴンドラの車掌として働き始める。
そこで出会ったもう1人の車掌であるニーナとゴンドラで繋がり、恋愛へと発展していく。
これは映画館という場が持つ束縛力がなければ、寝落ちしてそのまま配信ページを閉じていました。
(最初はのんびり、途中から面白すぎましたね)
85分で描かれる世界観は、どこかファンタジーで絵本のようでもあり、どこかやたらと現実的な要素が入り混じった新鮮な映像美が映し出され、本作の特徴であるセリフがない中で楽器や自然、ゴンドラの”音”がとても美しい作品でした。
ウェス・アンダーソンの世界のようと言うと解りやすい反面、ファイト・ベルマー監督の世界観を否定する気もするので、近しいものは感じるに留めておきます。
ベルマー監督作品は初でしたが、セリフのない作品は、クラシカルなサイレント映画のようなコミカルな演出もありつつ、それとはまた違うロマンチックな2人の関係が、可愛らしく装飾されるゴンドラと音楽で彩られます。
是非劇場でご覧いただきたい素敵な作品でした。