トールキン

ゴールド・ボーイのトールキンのレビュー・感想・評価

ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)
4.2
何とも恐ろしい映画を見ちまったなって言うのが率直な感想。高評価な作品だけどそれでも賛否が分かれてはいたけど個人的にはめちゃくちゃ良かった。ジャンルとしてはサスペンス(クライムサスペンス)系なんだけどまるでホラーのようにゾッとする恐ろしさ。ハラハラドキドキと言うよりもこの先ヤバいことが起きるなとビクビクしながら見てた。それくらい緊張感がひしひしと伝わってくる。そんな緊張感がまたゾクゾクするくらい病みつきになる。

殺人を犯した一人の大人とその証拠を握る少年たち。一方ではお金のために脅迫し、もう一方でもそれを素直には受け止めず、互いに牽制し合う心理戦のような駆け引きで話が進んでいくかと思いきや終盤に向けてとんでもない方向へと展開していき、さらにラストへ向けて緊張感が加速していく。ラストももうひと展開あって、そうくるか、と感心させられる。白黒ハッキリしないモヤモヤが残る終わり方も個人的には好き。

岡田将生は昔から清純なイメージがあって実際にそういう役が多いけど中にはいくつか胸くそでエグい役もあって今作でもそれがめちゃくちゃ光ってた。そんなお芝居が逆に清々しくて本当に幅の広い役者だなあと思う。
3人の子どもたちも子役とは思えないほどのそれぞれの存在感を放っており特にメインの朝陽くんは主演を喰うかのような役どころが恐ろしいほど凄まじい。
国が定めた法律によって自分は何をしても罪に問われない、何でもやりたい放題という考え方に基づき、口達者で機転が効いてあれこれ要領が良い。頭が良すぎると言うのも逆に恐ろしい。こんな少年が実際に世の中にいるのだろうかと思うとゾッとしてしまう。
トールキン

トールキン