落語みたいな話だった。ブータンの田舎町に不釣り合いの拳銃をトリガーに、民主化と近代化は何をもたらしたのか?そして、どのように国民は受け入れて、折り合いを付けたのか?という話を、2008年の初選挙のエピソードを元に描く。
呑気な善良さを根本に据えることで、さりげなく資本主家、民主主義への疑問をユーモラスに呈する鮮やかさは見事だ。
世界のグローバルスタンダードに、はんなりと、だが痛烈にNoを突きつける展開が心地よい。
売る側が「それは高価過ぎる。そんなに価値がないし、困る」という商談交渉こそこの作品の根底だ。貨幣価値などここで生きていれば小さな意味しかないのだ。