げんげん

ありふれた教室のげんげんのレビュー・感想・評価

ありふれた教室(2023年製作の映画)
4.1
アカデミー賞ドイツ代表作品。国際長編賞ノミネート。盗難被害が多発している中学校では先生による生徒への持ち物検査や任意と称した聞き取り調査が始まっていた。そんなやり方に不満を抱いていた女性教師は学校でのストレスがピークに達し、職員室を無断で盗撮し犯人らしき人間を特定するのだが…

「やることなすこと裏目に出てどんどん悪くなっちゃう系」の映画です。日本で言うと奥田英朗の『最悪』やアスガー・ファルハディ監督の『別離』『英雄の証明』のような展開です。

面白いのは「リアル」であること。感情的に行動して裏目に出てしまう女教師や教師に反発する保護者と生徒。普通に日本の学校でもありそうだし、生徒の行動や台詞も子供あるあるでリアル。盗撮の映像も完璧でないのもリアル。だから怖いってのも面白い。殺人鬼なんかいませんが、これはサイコホラーだと思います。

ラストにもう一捻りあると、もっと良かった。2023年は落下の解剖学と関心領域があったので無理だったが、なければアカデミー賞いけてたかも。

2024年44本目
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