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ありふれた教室の66のレビュー・感想・評価

ありふれた教室(2023年製作の映画)
4.1
これは凄い…今年のベスト5には入るかも。

どうすんの、これ…?からの鮮やかな着地👏

自分でも理由が上手く説明できないけど泣いてしまった(笑)

問題は全く解決してないし正しい道筋があるとすれば何だったのかも自分には永久にわからないままなんだろうけど、それが現実だし人生なんだよな…と偉そうに達観したこと言いたくなるやつ🫢

ルービックキューブがメタファーとして使われてるのも印象的。
みんなが〝自分の色〟だけを綺麗に揃えることにしか目を向けなくて〝他の色〟はグチャグチャでも構わないと無意識に思っちゃってるというのは、現実の世界にも溢れてますね。

ルービックキューブとは違って、現実社会では人それぞれ見てる面が違うし利害調整が完璧に上手くいって全ての人の満足度や納得感をキレイに揃えることは不可能なんだけど…
そういう〝ままならなさ〟も人生だよなと。

あと個人的にはもう一つ重要なキーワードだと感じたセリフがあって…

保護者会で一人の父親が発した〝ブラックボックス〟という言葉。

この映画って生徒(&先生も)の家庭環境を実際に映像で見せる描写を意図的に排除してるし、家庭環境に踏み込むようなシーンでさえ当事者以外の憶測や決めつけのみで話が進んでるような?

これもまた数学でのブラックボックスと現実を対比させてるのかなと少し思った。

ラストの意味も含め、しばらく考えを巡らせながら余韻に浸っていたい傑作。
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