るるる

アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家のるるるのレビュー・感想・評価

4.7
去年見逃して後悔していたところ、再上映館が見つかり早速観に行ったが、一切の説明も解説もない、まるで美術館に行ってきたような受け手側に自由さがあり良かった。彼の巨大工場のようなアトリエに訪問して巨大なキャンバスを見ると人間がすごく小さく感じられる。
立体作品は周りの空間を含んだ存在感が感じられ3Dの良さが十分に発揮されていたように思う。冒頭の、着ていた人だけが朽ちて消えてしまったようなウエディングドレスの作品では鳥肌が立つほどであった。一方で、巨大キャンバスに施された藁や絵の具がバーナーによって燃えていく様や、溶けた鉛が飛び散る様子は遠目にただの作業を見ているようで少し残念だったのでやはり3月の二条城の個展に期待が高まる。それにしても再上映館がシアターイクスピアリとあって観終わって出てきた時の世界のギャップに追いつけない。そして次の二条城という会場とどういった対比を見せるのか楽しみである。
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