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青春18×2 君へと続く道のmoobyooのレビュー・感想・評価

青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)
4.6
藤井道人監督がお気に入りと公言している清原果耶さんとタッグを組み、その逸材の珠玉性を改めて確認させられる、合作なれどほぼ台湾映画とも言える情緒豊かなラブストーリーです。

観始めて暫くして、岩井俊二監督作品を観に来たのか?と云う感覚が拭えなくなって来たところで主人公ふたりが台南の映画館で観る映画が『Love Lette』だったことで、その感覚の意味が分かり一気に腑に落ちます。ヒロインが台湾でバイトするカラオケ店の名称に"神戸"が入っていたり、手紙が重要な位置付けとなり、元恋人への想いが募る雪国への旅が終盤の重要な糧になる構成と云う3点だけでも『Love Lette』へのオマージュが伺えます。藤井道人監督は『Love Lette』が大好きなのであろうと確実に想像出来ます。

台湾から日本へ繋がる静かで温もりを至極感じさせる旅路の余韻が沁みます。確かに出会う人々が"いい人"ばかりとか、福島が後半の重要な場所になるのに震災が反故にされていると云う意見も見受けられますが、それらはあくまでも現実ではなくフィクションの恋愛劇だと自分には思えて気になりませんでした。

人気俳優シュー・グァンハンの出演もあると思いますが、台湾で大ヒットしているらしいのですが、日本では今一つ盛り上がっていないのが残念ですが、清原果耶さんを珠玉に撮り、キラキラせずにしっかりと組み立てられたラブストーリーであり、何より自分には波長が凄く合う映画作品でした。
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