【バレーボール選手の苦悩】
第36回東京国際映画祭で話題となっていた『パワー・アレイ』を観た。本作は望まぬ妊娠を描いた作品。この手の作品はいつも男性側は放置されがちだよなと思う。もうそろそろ、そこに踏み込んだ作品が現れてほしいところである。とはいえ、噂通りパワフルな作品であり、個性的なメンバーが集まるバレーチーム。その中心人物が望まぬ妊娠をしてしまう。ブラジルでは中絶はタブーである。かといって妊娠している者を試合に出すこともできない。運営側との軋轢の末に、試合に出るがそこで思わぬアクシデントが発生する。
この手の作品は主人公の輪郭形成に注力する傾向があるのだが、本作ではバレーチームのメンバーひとりひとりのキャラクター造形が作り込まれていたので意外に感じた。これはユースらしい作品であり、日本公開してほしいものがある。