若尾文子映画祭
増村作品は出来るだけ劇場で観たい。
この機会を待っていた。
オープニングタイトルからスクリーンいっぱいに広がる増村の旋律。
本作での若尾文子は不機嫌な様が特に格好良い。
瞳は光を失っているのに目付きは鋭い。
視線は尖っているが視点は定まらない。
日清戦争後、やがて遼東半島をめぐってロシアとの緊張関係が爆ぜようとしている頃。
邑邑では未だ幕藩体制を引き摺っているかのような時代。
ヒエラルキーの底にいる者を巧妙に特定し人間が等しく持つ悪意をコントロールする。
それは時代も場所も関係無い。
若尾文子も田村高廣も出ない、村一の男を奪われた女が口惜しさと嫉妬で床をのたうち回り、その兄が繰り返し何度も足蹴にするシーンに眼を剥いた。
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今日の一曲
甘やかな身体 - キリンジ
https://m.youtube.com/watch?v=2ChkMsGiCeQ
2020劇場鑑賞74本目