ビンさん

ヘル・レイザー 4Kデジタルリマスター版のビンさんのレビュー・感想・評価

4.0
ホラー作家クライブ・バーカーが自身の作品「魔道士」(後に「ヘルバウンド・ハート」に改題)を自ら監督した、87年のホラー映画のエポック・メーキング。

日本では翌年88年に公開され、僕は東京生活時代だったので、確か丸の内東映パラスで観たと思うのだが、記憶が定かではない。
でも、じつに面白く観たわけだが、これが36年経ってよもやリバイバル上映されるとは、当時の僕は知る由もなかった。

今回、4Kレストアされて、という昨今の風潮に乗っかってのリバイバルだが、僕が観たシネマート心斎橋では2K上映だったとのこと。
映像が綺麗になったかどうかはよくわからなかった(笑)が、音は鮮明になっていたように思う。

本作の魅力は、SMチックなデザインの魔道士たちによるおっソロしい物語もさることながら、なんと言ってもクリストファー・ヤングによるスコア(劇伴)が絶品なのだ。

メインテーマは、どことなくラフマニノフの前奏曲「鐘」を思わせるメロディ・ラインだが、本編の憎まれ役、欲望オヤジフランクが、五体バラバラになっていたのが、人の生き血によって蘇る前半のヤマ場を盛り上げるスコアの荘厳さよ。
おぞましい映像にヤングのスコア響き渡り、すぐにサントラ欲しい!って思ったものだ。
ヤングのスコアは、続く二作目(も来年公開予定)で最高潮に達する。

音響もクリアになったので、是非ビジュアルだけでなく、流れるスコアにも耳を傾けていただきたい。

今回のリバイバルにあたり、パンフも新たに作られて販売されているのは嬉しいが、スタッフ・キャスト紹介でクリストファー・ヤングの表記がないのはどういうこった?
そこが唯一の不満といえば不満。

だが、再びスクリーンでピンヘッドたちを拝める機会を与えてくれたことは感謝したい。

コンセッションではコラボドリンクが販売されていた。
その名も「ヘル・サイダー」。

でも、なんでメロン味なんだろうね?
ビンさん

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