『快楽の領域を広げてやろう』
以前鑑賞したことはあるが、フィルマークス記録なしということは3年以上前か。
印象あまりなくほとんど初見の感想。
面白かった。ジメッと、非常に湿度の高い物語。
人間の業を一身に体現したフランクが実質の悪役で、セノバイト達はデウス・エクス・マキナの役割。
登場シーンは意外と限られるがビジュアルインパクトはやはり抜群。
ファッションセンスを感じるのは何故。
不倫や殺人などタブーを侵すこと、ひいては本作のように「悪趣味」形容されるもの・見ちゃいけないものを覗きたがる性分、やっちゃいけないとわかっていることに何故惹かれるのか、についての考察としてみると興味深い。
作品の根底に流れる「禁忌を侵すこと快楽の領域を広げることができる、苦痛と快楽は表裏一体である」という危険だが同時に魅惑的な思想が、鑑賞者の昏い欲望にも作用し、本作に独特の色気というか、官能性を与えている。
それにしても人類の悪徳が服を着て歩いているようなフランクというキャラクター、一体どんな生い立ちなのか。あんな平凡な弟がいるのに…背景をもっと知りたかった。序盤のジュリアとの不倫や彼女がフランクに魅了されるがあまり異常な協力者になる過程やらホントエロティック。
そんな奴を叔父に持つカーティスも業が深い…
最初に戻り業が繰り返されるラストも好み
