スペインの負の歴史を描いたドラマ。主演はエンリック・アウケル。ライア・コスタ共演。
原作は「サルバドールの朝」のフランセスク・エスクリバーノによる同名小説だそうだ。
スペイン内戦が始まる前、子供たちに革新的な教育をし、海へ連れていくと約束したアントニオ先生の物語。

曽祖父の消息を追うアリアドナと祖父の回想から、もしやこれは…と思ったらやはり根本にあるのは「パラレル・マザーズ」でも扱われていて近年になっていろいろ明らかになった事件。

生徒に学ぶ喜びを教え、生徒からは慕われたアントニオだが、その教育方針は反政府的と見なされて…

政府に都合が悪いと片っ端から理不尽な理由で迫害したり処刑したり。アントニオ先生は真っ当なことをしている自覚があったから反抗すらしなかったのだろうけど。
あまりに理不尽だった。

アントニオの物語と内戦で行方不明のままの曽祖父を探す物語、現在と過去の二つの物語が繋がる。
アントニオの話の方に重点が置かれていた気がしたが(タイトルもまさにそうだし)、その先生のおかげで今がある人々の話でもあり、その他大勢の行方不明者と彼らを探す人々へ捧げる物語でもあるのかも。

• #スペイン内戦関連映画_みむさん

1935年、スペイン・ブルゴスの小さな離村で教師として働き始めたアントニ・ベナイジェス。6～12歳の男女からなる生徒たちと強い絆を結んだ彼は、ひとつの約束をする――（ここまで映画サイトからの引用）。

「戦争は暴力による意思決定」と聞いたことがある。ひとたび戦争状態になると、昨日までは一緒にいた人たちであっても、自分たちと”違う”人ということで吊し上げられる。全くひどいことだ。

アントニオ先生もそうだ。「時代が追いついてなかった」だけでは済まされない。それだけで片付けたくない。真の教育を実践されていたことで、逆に周囲の人たちの不信感を募られることになってしまう。戦争とはそういうことなんだ。スペイン内戦も今も変わっていない。

• #京都ヒストリカ国際映画祭

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