Shoji

GIFTのShojiのレビュー・感想・評価

GIFT(2023年製作の映画)
5.0

めちゃくちゃ良かった。
『悪は存在しない』よりも好きだった。

映像は、『悪は存在しない』と共通の素材を再編集したもの。映像内の音声は鳴らず、話の流れがなんとなくわかる程度の説明や台詞が文字情報としてたまに挟まる形式。

音楽は、事前に録音したオーディオを石橋英子が映像に合わせてその場で再生し、そこにシンセやサンプル、フルートの演奏などをライブで重ねるような感じの形式。音の要素としては、『悪は存在しない』のフィルムスコアと同様のシンセやストリングス、ジャズドラムに加えてドローンのような電子音なども鳴っていた。

濱口監督に音楽のライブパフォーマンスで流す映像を依頼する石橋英子も、その依頼に対して一旦劇映画を撮っちゃう濱口監督も、なんというかかなりガチの人というか極まっているというか。
その結果、なんとなくストーリーも追えて割としっかり意味性がある映像に、単なる劇伴よりも自由度・即興性が高くしかし映像からの作用は受けている音楽が鳴るという、かなり不思議なバランスの作品になっている。

他の方のレビューを見るとサイレント映画として鑑賞している方もいたが、自分はどちらかというと映像の付いた音楽作品として鑑賞した。
そのため、映像内の運動と、それと一緒に変化していく音を、あまり意味を考えず感覚的に受容した。

客席には濱口監督やキャストの方々もいて、ファッ‼︎⁈となった。
Shoji

Shoji