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罪と悪のfilesのレビュー・感想・評価

罪と悪(2024年製作の映画)
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強者が弱者に対して、自分の強さを誇示するためにふるう力。
弱者が強者に対して、傷つけられるのを守るためにふるう力。
どちらの矢印だろうが、暴力は罪。
でも、その罪はイコール悪なのだろうか。
そして、自分が直接力を振るわなければ、罪には問われないのだろうか。

罪と悪の境目があいまいになった町で起こる出来事の数々。
ああ、悪い誰かが倒れて、正義が広がって、楽になれたらどんなにいいだろうか。
力と罪と悪が結びつかないから、今日もどこかで争いが起こる。

この映画に、SNSで簡単に揚げ足とれるような罪は転がっていない。ただ、あまりにも未熟で悲しい何かが横たわっている。罪と悪とは何か、観る者に委ねられる映画。

★追記★
監督は「最初に謎解き版を作ったが、あえて間引いた」とのことです。
出演者の高良さんの言う通り、相当スケールの大きい話です。まるで今時のミステリーゲームのように回数を重ねるほど深みが出てきます。第一印象よりはずっと考察系の映画です。一回の鑑賞で「ん?よくわからない。中途半端かな」と評価を決めるのは早すぎます。

この映画は「映画からネトフリ級の長編ドラマまで書けますよ」という齊藤監督の各製作者へ向けてのプロモーション映画だと思いました。読み解ける人だけオファーしてくださいと。
観客は最初に晃の目線とタイミングで事件を知っていくが、それがこの町のリアルとは限らないってことですね。
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