庭いじりに勤しむ旧世代の、とは言えいつでもいけるけどね感を醸し出しつつで以て見送る雰囲気とか。
畑踏み荒らすなー、とか、橋の下涼しいよねー、とか。
詰まり逃走、追跡シーンの絵面的な躍動感と、その一方で無関係な市民の滅法面白い茶々入れとか、着信音一緒かよ、みたいななにそれなすかしとか。
太っちよ刑事のハンバーガーの食い方とか、王様気取りと新世代の会食シーンの、それぞれの伝票の扱いとか。
そうしたディテールに気持ちの入った実に見応えのある映画でしたよね、と。
ノワールな空気感に痺れて観賞中ずっと勃起してましたよね、と。
ただ振り返ってみると。
三人、の内の一人の演技が異質で公開処刑になっちゃっている点と。
地方都市が舞台の権力争い、と、二十年越しの落とし前、とそれぞれ別の話だと思うんだけれどもそれらが絡み合っているのかと思わされ満額で楽しめなかった点は、ちと残念に思いましたかね、と。