かよ

あんのことのかよのレビュー・感想・評価

あんのこと(2023年製作の映画)
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子供は親を選べないけど、親以外に出会った人たちによっても変わるよね…

子どものような若い女性と中年男性2人のカラオケシーンはとても美しいとは思えず、彼女に同世代の友達ができるにはどうしたら良いだろう、なんて考えていたら、ほら、というように嫌な展開が訪れた。

記者が不穏な空気を漂わせているから警戒してたら、そっちかい!という。しかし現実世界における報道ではこういう人の話をよく耳にする。ある人にとっては救いの神でも、別のある人にとっては悪魔。

佐藤二朗という役者はときどき鼻につくんだけど、今作では素直に見られた。最後に登場するときだけ「悪いとこ出てる!」と思ってしまったけど、あの芝居によってこのキャラクターの偽善性が匂ったから正解だったんだな、と思い直す。

自助グループはあそこだけじゃないし、刑事が捕まったとて致命的なことにはならなかったはず。ただし杏にとっておそらく初めて出会った信頼できる大人を失い、そのきっかけを作ったのが記者だった、という関係性において、頼れそうな大人を二人同時に失ってしまったのが痛恨の極み。
というか記者は、刑事の作った場が失われる未来くらい想像できたろうに、とは思ってしまった。だからやるべきじゃなかったのではなく、前述したように、代替となる団体につなげるサポートくらいはしたら良かったのでは、と。

唯一、良いところの見つからないのが母親だけど、杏の生物学上の父親はどこかにいるはずで(亡くなっていなければ)、彼が責任を果たしていれば母親もあそこまでにはならなかったのでは、と思わざるを得ない。

最後に一点。子どもの性器は映すべきじゃないと思う。私が本人なら辛い。
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