大好きなジョン・ウー監督の久々の劇場公開作という事で期待し過ぎてしまいました…。
公開初日なのに私を含めて観客7人とジョン・ウー監督も過去の人になってしまった感で切なくなってしまいました…。
クリスマスの話なので時期外れで日本での公開時期が悪過ぎた感も…。アメリカでは2023年の12月に公開してるのに、日本公開はなぜか約1年4カ月ほど掛かったというのが謎。
言われなければジョン・ウー監督と分からないくらいに、ジョン・ウー節が影を潜めてます…。鳩はワンシーンだけ出て来るがCG丸出しの気持ち悪い鳩というか変な鳥…。
2丁拳銃は出て来るがコレも2シーンくらい…。スーツ姿も無くドラム缶バビューンも無く私が求めるジョン・ウー監督の演出では無かった…。
オルゴールの音色とか亡き息子を求める感じはほんの少しだけ「フェイスオフ」っぽい。
子煩悩な普通の家庭的な父親が復讐鬼になるという設定なため、素人がギャングに対抗するために身体を鍛えたりといわゆる修行シーンに尺が多く使われています。
息子を失い声も失い絶望の淵から復讐にシフトするのですが、そこがヤケクソ気味で今ひとつドラマ性を感じません…。
奥さんも息子を失ってツラいのにアレだけ夫を支えたのに…主人公が自分勝手な気がしてなりません…。
溜めに溜めたといえば聞こえが良いが、アクションの見せ場はほぼ終盤しかない…。
そもそも決行日を決めてそこまでは準備なので展開に面白味がなく前置きが長い。
1番のポイントである筈の主人公が声を失うという設定も活きているとは言いづらいです…。なぜか周りの人間まで主人公に合わせたのか台詞が少なくなるし。
終盤にある人物と共闘する事になりますが、この2人に絆が生まれるようなドラマが無いために唐突で全く熱くなれない…。
男同士の絆や友情を描くのが上手いジョン・ウー監督はどこへ行ってしまったのか…。
ジョン・ウー節を抑えた分はジョン・ウィックのようなスタイリッシュなアクションに挑戦してましたがアナタに求めるのはそれじゃないんです!
ジョン・ウー監督らしさを感じたのはスローモーション使い方くらいでした。
でもカーチェイスと少ないけれど爆発とかアクションの見せ方は相変わらず上手い。
修行したとはいえ素人なので殺しで吐いてしまったり躊躇したり、詰めの甘さがあったりとそこはリアルさはありました。
更にズタボロになりながらの泥臭い復讐劇は少しだけ「男たちの挽歌」チック。
復讐劇としてはシンプルで悪くはないけど、特段良くも無いというのが率直な感想。
でもあのジョン・ウー監督が過去を捨て新しい事にチャレンジしたという評価が高いレビューもあるので、ジョン・ウー節を期待しなければもしくは監督をあまり知らない世代にはウケるのかも知れません。
でもやっぱり私はスーツ姿で2丁拳銃で壁と壁の背中合わせ。回転撃ちにジャンピング2丁拳銃撃ちと前転スローモーションとドラム缶バビューンに白い鳩が見たいんです😭
まとめの一言
「死のクリスマスプレゼント」