のわーる

無名ののわーるのレビュー・感想・評価

無名(2023年製作の映画)
3.8
スパイ同士の腹の探り合い。誰が敵で誰が味方かわからない緊張感。極秘情報を入手しても共有が気安くできない。
信用させたら勝ち、信用したら負け。ミッションのためなら味方も騙すし、時には殺すこともある。

騙す騙される以前に、人物の相関関係がちょっとわかりにくい。会話の中から所属と関係性を推察する必要があり、それが何となく理解できたのは終盤だった。

日本語の会話が聞き取りにくかった。滑舌の悪い日本人と片言の中国人のやりとり。できれば日本語にも字幕をつけて欲しかった。

なので少しだけ予備知識を入れてから鑑賞するのがオススメ。相関図がわかっていれば、いつ誰が誰に裏切られたのか見当がつく。それをクリアすれば、とても見応えのある作品だと思う。

陰影の強い画面がレンブラントの絵画のよう。それによって無駄なものが影に隠れ、人物の表情がより印象的に感じられた。そしてトニー・レオンはやっぱり絵になる。
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