ft0129

無名のft0129のレビュー・感想・評価

無名(2023年製作の映画)
2.3
作品の雰囲気 80点
映像美 80点
脚本 -100点
演出 -100点

まだ、1000円で観たからいいんだけど、期待度が高かったぶん、2000円払ってたらブチギレてた。劇場で暴れて、危うく犯罪者になりかけた。

他のレビューを見てて、蒋介石の国民党の話が出てきた時点で、日本国民の8割は「はぁ?」となり、ストーリーを追えなくなるんだろうなぁと思った。大変な題材だなぁと。自分は『映像の世紀』を毎週観ているせいか、そのあたりの知識があるので歴史背景は理解できたが、肝心のストーリーが驚くほど酷かった。

共産党、国民党、どちらのスパイなのかの謎解き要素はあるんだけど、演出がそれをほぼ無視している。それよりもストーリーの粗さが目立つ。粗い上に、時間軸を組み替えているので、ストーリーを理解しようとする気力が削がれてくる。それに、お互い共産党と認知していたら、あんな死闘をする?絶対、撮影途中で脚本書き換えただろう?
弾丸を抜き取っていた話も唐突すぎて無茶苦茶すぎる。その銃にフォーカスを当てたシーンあったか?

演出に関しては、下手なカタコト日本語を喋る俳優は少なく、普通に中国語と日本語のやり取りが行われる中国人観客には大変優しい演出。まあ、それは許容できるが、ノワール作品特有の殺伐さがない。それは致命的。何もかも演出が軽い。重厚さがない。

共産党独裁政権の中、作品づくりに検閲があることは容易に想像できる。そのため、作品づくりにリミッターがかかっていて、無難な作品しか生み出せない。本作品はその印象しか残らなかった。残念。

テアトルシネマグループは中国から大金もらってんの?他に素晴らしい作品があるにも関わらず、メンバーズカードにするぐらいこの作品を大きくフィーチャーするのは、そう疑わざるをえない。
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