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無名のharukaのレビュー・感想・評価

無名(2023年製作の映画)
3.6
日中戦争・太平洋戦争下の国民党(蒋介石・汪兆銘)、共産党、日本軍の構図が解ってないとちょっとつらい(わたしも帰ってから勉強した)。あと当たり前だが日本の加害の歴史とその描写がだいぶ生々しいのでそこもきちんと直視して勉強しなければと思う一方、結構しんどくて落ち込んでいる……
映画のほうは、時系列も伏線も全部丁寧な答え合わせが付きすぎで、折角お洒落構図と言葉少なに表情で魅せる演出なのに今ひとつ一流になりきれていない感が否めない。特に最後のカットは蛇足も蛇足、なんか全体的に観客への信頼のなさなのか、監督の顕示欲なのか、残念でした。

演者はすごくよかった 王一博、あんなに涙と雨が似合う人間おるんか…ってくらいハラハラ落ちる涙が美しすぎたしバァンの煽りの表情が完璧すぎて忘れられない。彼の悲しみと虚無感と実は誰よりも強く胸に抱き続けた信念と悔恨、多くを語らずしかしその表情で本当に繊細に表現されていて素晴らしかった。梁朝偉とのアクションシーンはこれが撮りたかったんだなって解っていても惚れ惚れしてしまう出来。梁朝偉、60歳とは思えなさすぎる…………
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