凜太郎

無名の凜太郎のレビュー・感想・評価

無名(2023年製作の映画)
3.0
1940年代の上海の雰囲気、めっちゃいい!こういう時代の空気感を画面を通して感じられるのは映画冥利につきますよね。「路地の薄汚さ」と「都市の洗練された感じ」が相まって「上海いいな…」としみじみ感じました。メイキング映像とかあったら観たいかも。

その上海を舞台に共産党、国民党、日本軍が三つ巴の諜報戦を繰り広げます。全体的にはノワールの雰囲気なんですが、意外とガチンコの喧嘩シーンが多かったです。国民党のお兄さん(名前忘れました…)がキレて日本兵5人くらいを1人でボコしちゃうからびっくり。それだけ「オレ、怒らせたら強いぞ」っていうアピールしたお兄さんが終盤、共産党のトニー・レオンおじさんとタイマンするわけですから、「絶対勝てないでしょ…」と思っていたのですが… トニー・レオンはトニー・レオンで「スーパーおじさんっぷり」をたっぷり披露してくれました。(私も歳を重ねていったら、トニー・レオンのような強くて味のあるおじさんになりたいとしみじみ思いました。)

しかし年甲斐なく頑張る共産党スパイおじさん、トニー・レオンがいつまでたっても勝利しない… 中国の映画だからてっきり「最後に共産主義は勝つ!」的な流れかなと思っていたのですが… ああいうオチだったんですね!
凜太郎

凜太郎