凜太郎

コーダ あいのうたの凜太郎のレビュー・感想・評価

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
4.0
上映時間、ずっと面白かったです!
家族コメディー的なの雰囲気もいいし、ツッコミどころあるけど憎めいないお父さんとかも良いし、そんな家族を聴者として支えながらも自分の夢を追いたいルビーも応援したくなる。

まずは言いたいのは(映画全体の内容ではないけど)V先生について。自分に自信がなく人前で歌えないルビーにV先生はこんな話をします。「デビッド・ボウイはボブ・ディランの声を『砂と糊』だと評した。」確かにディランはしゃがれ声で耳障りの良い美しい声ではない。でも彼の声は人の心を揺さぶるものがあるのだとV先生は教えるのです!!! これはディランファンの私には刺さりました笑。ルビーの歌声も人の心に訴えかけるものがあると言うことなんですね! しかもルビーのことを「ボブ」なんてあだ名で言うもんだから、もうV先生のキャラには大満足です笑

そのV先生のお眼鏡にかなったルビーですが、勝気なところもあるのに、どこか自信がなかったりします。新たな事業を始める家族を支えたいのに、彼女は自分の可能性を追いかけたい。葛藤に苦しみながらも自分を見失わないルビー、素晴らしかったです。

他に良いところを書くとキリがないのですが… あえてイマイチだったところ言うとすれば、若干、マイルズくんの位置付けがビミョーなような気がしました… 「相手のことを想って歌う」というV先生の課題が出され、マイルズとのデュエットに気恥ずかしさを感じるルビーですが、ラストでは見事に歌い上げます。ルビーはマイルズ君のおかげで成長できたようなものですが、マイルズ君はひととなりがあまりにもわからないままというか… 二人が仲直りするときに連れていったあの湖は、よく考えると大事な舞台にしては急な出現ですし(おそらくルビーの自分だけの秘密の場所だったんでしょうけど…)、ルビーとともに困難に向き合った家族は新事業に精を出し、お父さんは一言だけ「GO」と別れ際に話せるようになります。物語全体を通してみんな成長しているのですが、マイルズ君は結局試験に落ちてしまいます。そんなマイルズ君については「うちは両親不仲で…」みたいなことは会話の中でしか出てこないです。2時間切っている映画なら、マイルズ君パートを厚めにしてもよかったのでは?とちょっとだけ思いました。しかもなんかラストでフラれてるっぽいし… ルビーの次はマイルズ君を応援したくなりました笑。頑張れ、マイルズ君!
凜太郎

凜太郎